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当院のアレルギー科について
当院のアレルギー科ではじんましん、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患全般の診断および治療を行いますが、原因となるアレルゲンの検査等も併せて行ないます。アレルギー性疾患は遺伝的な影響が少なくありませんが、治療の出来る疾患です。
アレルギー疾患について
1. 食物アレルギー
食物アレルギーとは決まった食品を摂取したときに起こるアレルギー反応です。
腹痛・嘔吐・下痢・じんま疹などが起こりやすいと言われていますが、血圧低下・意識障害などの強い症状(アナフィラキシーショック)が起こることもあります。
特に、小さなお子様では、初めて食べたときには出なかった症状が2回目に食べた時に起こる事もあります。
過度に神経質になる必要はありませんが、どのような食品でも起こす可能性はあります。一般的にアレルギーを起こしやすいと言われている食品を摂取するときには注意が必要です。
遺伝性はあまり無いと言われていますが、幼少時に両親がアレルギーを起こした経験のあるものを食べさせる時には特に注意してください。
母親が父親(夫)の小さいときのアレルギーを把握していなかったために、母親が子どもに食べさせて重症なアレルギー反応が起こったというケースも報告されています。
その他、知っておいた方がよい食物アレルギーの注意点をまとめておきます。
幼少時にあった食物アレルギーが無くなることも多く、過度の食物制限は栄養バランスの点からも好ましくありません。但し食物制限は段階的に解除していく必要があるため医師に相談しながら行ってください。
今まで食べていた食物が突然アレルギーになり摂取出来なくなることがあり、どの年代でもその可能性があります。
卵(鶏卵)アレルギーがあっても、鶏肉、魚卵(イクラ、たらこなど)を摂取しても問題はありません。
食後24時間以上たってから症状が現れる遅延型アレルギーもあり、この場合食物アレルギーと判断するのが困難なことがあります。
血液検査でアレルギー陽性となっても、食べても症状が現れないこともありますし、逆に血液検査でアレルギー反応が弱かったとしても実際には強いアレルギー症状を起こすこともあります。血液検査はあくまで参考と考えてください。
卵のアレルギーでショックなど重いアレルギー反応を起こした人など一部の人を除いて卵のアレルギーがあっても殆どの人はインフルエンザの予防接種はすることが出来ます。気になる点のある方は、医師に相談してください。
症状が軽いため常時摂取していても食物アレルギーと気づかないことがあります。慢性的な体調不良の原因が実は食物アレルギーであったということもあります。疑いがあると感じた時は医師に相談しましょう。
2. アトピー性皮膚炎
症状は、主にかゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら長期間続く、皮膚の病気です。また、患者様本人あるいは家族が鼻炎など他のアレルギー疾患を合併していることが多く、遺伝的にIgE抗体(免疫グロブリンと呼ばれる抗体の一種で、主にアレルギー反応に関係する)を作りやすい素因があると言われています。
つまり、アレルギーを起こしやすい体質の人が、さまざまなアレルゲンに反応したり、ストレスなどの外的刺激を受けたときに、アトピー性皮膚炎が起こるもしくは悪化すると考えられています。さらに、アトピー性皮膚炎の人の肌は、健康な人の肌に比べ、皮膚のバリア機能が低下していて、皮膚が乾燥しやすく、また、そこから細菌や湿疹を悪くする抗原が入ってきて、症状を悪化させてしまうのです。
アトピー性皮膚炎の症状が悪化する原因は、汗や、ダニ・ハウスダスト、花粉、動物、食べ物など様々なものがあります。
大人になっても続くことがあり、再発もあります。
主な症状は、「皮膚の炎症」「かゆみ」「肌の乾燥」で、つらいのが「かゆみ」です。また、これらの症状の起こり方は、発達に伴う皮膚機能の変化や、年齢による生活様式の違いなどが影響するため、乳児期、幼児期・学童期、思春期・成人期、老年期によって大きく異なります。
乳児期
皮膚のバリア機能がまだ不完全で、汗や洗剤、細菌などの刺激により炎症を起こしやすい。口のまわりや頬に赤い発疹が生じ、首、肘、膝の裏、手首や足首など蒸れやすい部分にも炎症が起こり易くなります。
幼児期・学童期
顔面の発疹が減る代わりに関節部や体の発疹が増えてきて、皮脂の分泌が少ないため肌の乾燥も目立って来ます。
思春期・成人期・老年期
顔面、胸や背中など上半身に発疹が強くあらわれる傾向があり、また、この時期は皮膚炎が悪化しやすく、いったん落ち着いても、再発することもあります。
また、かゆみだけでなく、頭を掻くことにより、脱毛症になったり、目のまわりをこすったりたたいたりするうちに白内障や網膜剥離を引き起こすこともあり、注意が必要です。
さらに、皮膚が乾燥することで、汗やホコリ、衣類、毛髪などの刺激に対する防御機能が低下し、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌、ヘルペスウイルスなどの細菌感染やウィルス感染を引き起こしやすくなります。
ヘルペスウイルス感染ではアトピー性皮膚炎の患者様の場合、水疱が口のまわりだけで無く顔や体中に広がって重症化することもあります。